守備範囲の広さは基幹病院の小児科ならでは。
病院が多いため専門分野ごとに病院の住み分けがされがちな都心部とは違い、東濃地域の基幹病院である当院の小児科にはあらゆる症例が集まってきます。一般的な内科疾患や食物アレルギーをはじめ、体重が1000gを切る超低出生体重児、思春期特有の不定愁訴に悩む中学生まで、対応する年齢や症状がとにかく幅広いのが特徴です。
また、近隣の医療施設では対応が困難な重症・重度の子どもを受け入れる小児救急医療の体制を整えています。岐阜県では2台しかない新生児専用の救急車は、20年以上前から導入しています。地域の産婦人科から連絡を受けたら、医師自ら救急車で患者さんのもとへ赴き、NICUへ搬送するまでの間に迅速な処置を行なうことが可能です。
専門分野を深めるよりも、初期対応力を重視。
当科の研修では、上記で述べたような幅広いケースを多数経験できるのが最大の強みです。おのずと初期対応力が磨かれるのと同時に、自分の視野を広げることにつながります。例えば、熱や咳、発疹といった目に見える症状に対して、安直に風邪だと決めつけるのではなく、いろいろな角度から可能性を探る洞察力、判断力が備わるでしょう。
また、帝王切開手術の立ち会いや、新生児救急車での搬送にもなるべく多く携わっていただきます。赤ちゃんが生まれた瞬間にどういった判断や処置が必要なのか、実際の現場を目の当たりにできる貴重な機会です。近年では、産科の減少に伴い、出産に立ち合える研修先は限られています。出産の現場で赤ちゃんのために最低限何をすべきか学べるのは、産婦人科のある当院ならではと言えるでしょう。
歳の近い先輩から学ぶことも有意義です。
現在の小児科は20~30代のフレッシュな医師が多く、活気があります。みんな純粋に子どもが好きで、穏やかな人柄の先生が多い印象ですね。お互いに知識や技術を高め合う姿勢が根付いており、相談しやすい環境です。当院の初期研修を終えた3年目の先輩もいて、経験に基づいたリアリティのあるアドバイスを受けられるのも心強いと思います。
これから研修医になるみなさんは、さまざまな病院や診療科から取捨選択する必要があり、迷うことも多いでしょう。しかし、その中から自分が志す道を見つけて、一生の仕事にできること。そして、その仕事が患者さんの健康や笑顔につながることは、かけがえのない喜びです。ぜひ自分の感性に従って、自分の歩む道を探求してほしいと思います。