重症例でも、患者さんの全身管理は自分たちで担う。
当院は三次救急対応病院のため、東濃地域の各地から交通外傷を含めた重症例を多数受け入れています。早期がんや鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術から、難易度の高い肝・胆・膵領域の手術まで症例は幅広く、それに伴って管理が必要になる内科疾患についてもトータルで治療を進めています。
さらに当科の特徴として、自科麻酔で手術に臨むことも多いため、重症例であっても、麻酔管理を含めた術前・術中及び術後の経過観察まで一貫して行うことができ、研修医のみなさんにとっても有意義な学びになるでしょう。さまざまな手術症例を通じて豊富な知識・技術を吸収できるのと同時に、患者さんの全身管理能力に長けた外科医を目指せる——。それが当科の魅力だと思います。
研修医の目的や能力に合わせた柔軟な指導を。
当科での研修中は、指導医が研修医一人ひとりの目的や能力を見極めながら症例を振り分けています。外科志望の方には、研修医の先生が早期に取り組むことになる鼠径ヘルニアをはじめ、腹腔鏡手術の指導なども積極的に行っていきます。加えて、未梢静脈路確保や気管挿管、観血的動脈圧ライン留置などもマンツーマンで指導する体制を整えており、基本的な手技を習得できます。
また、外科志望でなくても医師の礎につながる学びは大いにあると思います。例えば、研修医が救急外来で受診する機会の多い急性腹症。実際に触診や画像診断に立ち会ってもらい、どのように診断し、どのように対処していくか経験を積むことで、現場で役立つ実践的な技術やノウハウを身につけられるでしょう。
女性なら、乳腺外科でキャリアを積む選択肢も。
「外科は体育会系で体力勝負」とよく言われますが、私たちは研修医の心身の負担に配慮した指導を心がけています。基本的に定時終業、当直明けの十分な休養も確保していますし、1人で問題を抱え込んで悩むことがないよう相談しやすい環境を整えています。ありがたいことに、「この患者さんの手術に最後まで立ち会いたい」という志の高い研修生も多いです。もちろんそういう場合は、最後まで丁寧に指導して熱意に応えています。 また、継続的な修練が必要になる外科医は、出産・育児を考える女性医師にとってはキャリアプランを描きにくいかもしれません。しかし、乳腺外科など女性医師が求められている分野もあります。乳腺外科中心の指導も可能なので、興味があればぜひ見学へ来てください。